世界最高レベルの通信機器メーカーになった

ファーウェイという中国企業をご存じでしょうか?
お恥ずかしながら、私はこの本を手にするまで知りませんでした。

ファーウェイとは未公開企業(株式を上場していない会社)であり、世界最高レベルの情報通信機器メーカーとして、2010年に「世界で最も革新的な企業ランキング」の5位に選ばれたこともあるそうです。
(ちなみに、1位Facebook 2位Amazon 3位Apple 4位Googleと上位4位まではすべて米国企業)

その驚異的な成長に、米国からは「中国政府から援助を受けている」とか「他企業の知的財産権を侵害している」といった疑惑をかけられ、市場から締め出されてきました。理由は、米国の既得権益を守るため。
しかし、そんなハンデや苦難を超え、ここまで生き延びてきました。
これまでの歩みと創業者、任正非(レン・ツェンフェイ)の企業哲学をまとめたのがこの1冊です。

数多くのライバルが消えていくIT業界の中で、どうしてファーウェイは生き残ってこれたのか?
中国企業のイメージとはかけ離れた内容に、驚きの連続です。

以下、ポイントをまとめます。
「我々には何のバックグラウンドもなく、何の資源もない。自分というもの以外、何ひとつ持ち合わせていない。従って、あらゆる進歩は他の誰でもない、すべてが自分次第なのだ」

「商人は政治を語ってはならない。ファーウェイは純粋かつ徹底したビジネス組織であるべきだ。政治とビジネスの癒着やもたれ合いなど、中国の商業史の悪しき伝統とは完全に決別しなければならない」

「欧米の通信機器メーカーが危機に陥った原因は、利益率が高すぎたことだ。一方、我々は暴利を求めなかったからこそ生き延びた。こんな薄利だからこそ、わずかな生存空間の中で生き延びる術を身につけざるを得ず、そのおかげで経営力が高まったのだ」

ファーウェイの最低限かつ最高の戦略は『生き延びる』ことである。

「欧米には成功を収めたマネジメント理論やノウハウが既に存在しているのだ。我々がそれを拒む理由がどこにある」

「我々はさらにオープンで協力的な体制をとり、ウィン-ウィンを実現させることで、現実を変えていかなければならない。これまでの20年、ファーウェイは多くの友を敵にまわしてきた。しかしこれからの20年は、敵を友に変えていくべきだ」

「広報担当者が年に一、二回しか間違いを犯さないようでは、職責を果たしているとは言えない。間違った意見を述べる勇気を持つべきだ」

「妥協とは非常に現実的で臨機応変な知恵の塊なのだ。世界の賢人はすべからく、いつどのタイミングで他人に妥協すべきか、あるいは他人に妥協を求めるべきかを心得ている。詰まるところ、人が生きるための拠り所は意地ではなく理性でなければならない」

「君たちは目をまっすぐ顧客に向け、上司へは尻を向けろ」

「ファーウェイの企業文化の特徴は正にサービスである。サービスを行うことでのみ、それを会社の利益に換えることができるからだ」


大手企業がひしめく業界で生き延びる術を学ぶのには最適です!